くらしの記憶INTERVIEW

季節のさかいめ 春から夏へ

初夏のトマトしごと 福岡にて

牧 志保(スタジオ伝伝)

山と海が近い福岡の田舎で暮らし始めて2年が経ちました。

4月は、裏山で次々と顔を出す筍のアク抜きに忙しく、食卓には毎日筍料理が並びました。

5月に入り、きゅうりのぬか漬けが登場したり、食卓も春から初夏の風景に変わってきました。

梅雨に入る前のこの季節はトマトの瓶詰め作業が恒例となっています。

 

近所の直売所で、傷が入ったトマトが安く売り出され始めると、今年もこの季節がやって来たなと、気合いが入ります。

ひたすらトマトを切って、鍋でぐつぐつ2時間くらい

トマトのかさが半分くらいになったら瓶に詰めて出来上がり。

 

鍋からたちのぼるトマトの香りを嗅いでいると、去年は庭のトマトで作ったなとか、2年前は横浜の家で、近所のおばさんのトマトを煮込んだなとか、色々なことを思い出します。

そして来年はどこで誰のトマトを煮込んでいるんだろうと、先のことを考えてみたり。

トマト煮込みを通して、自分を定点観測しています。