くらしの記憶INTERVIEW

外と内を繋ぐ場所

郡上美並 広い空の下での暮らし

. 017

この場所に引っ越してきて、気がついたら1年以上の月日が経っていました。

母屋と離れのある物件を、仕事場である木工房と住居に直して暮らしていくにはどちらをどちらにするのか、当初とても悩んだことを思い出しました。

ただ私の悩みとは裏腹に、ずっと相談に乗ってくださっていたスタジオ伝伝の藤沢さんも、工事をお願いした大工さんたちも、迷わず「離れに住むべき」と 笑

自分なりにメリットとデメリットを考えて、離れを住居にすると最終的に決めたのは私ですが、実際に暮らしてみて、ああ、みなさんの判断は正しかったんだなぁと日々実感するようになりました。


離れは道路に面した母屋の裏手にあるのでとても静かで、南側には畑が広がり日当たりが良くて暖かい。

洗濯物がよく乾くし、晴れ間があれば毎回お布団を干しています。

右手には長良川沿いに桜の木が生えていて、左手には畑の隅に大きな朴の木がそびえているのが見えます。

鳥の声もよく聞こえるし、木の葉のざわめく音もとても心地いいです。

 

そうして家事をしたり、お昼にぼんやり景色を眺めていると畑作業をしている方との交流が生まれ、自然とご近所付き合いを始めることができました。

自分でも少し野菜を育てているという話をしたら、翌朝窓の外に木酢液のおすそ分けが届いていたこともありました 笑

    

 

もし離れを工房にして引きこもって作業をしていたら今よりも人との関わりは少なかっただろうし、母屋で暮らしていたら車通りの多い道路からの音を気にして落ち着けなかったかもしれません。

 

私にとってこの住まいは、安心感とこの地域で暮らしていくための交流を生んでくれる場所になりました。

木工作家である. 017さんのページはこちらになります。
. 017さんの『ずっと使えるベビースプーン』は郡上八幡のArt &Hotel 木ノ離、東京西荻窪の木ノ離ノ離レ、オンラインショップにてご覧になれます。